2012年12月9日日曜日

アートと音楽ー新たな共感覚をもとめて


アートと音楽 新たな共感覚をもとめて

という名前の展覧会を見に、東京都現代美術館を訪れた。

アートと音楽?

題名について書き出すと、切りがなさそうなので、印象に残った作品から。

入り口を入ったすぐの所にあった、セレスト・ブルシエ=ムジュノの作品。直径3メートルほどの浅いプール。プールの底は、鮮やかな水色になっている。静かに水が流れるようになっていて、白い陶磁器がプカプカと浮かんでいる。

水の流れによって、陶磁器同士がぶつかる時に、キレイな音を奏でる。陶磁器の同士の動きは、複雑な水の流れによって決まるので、音は、不規則に、広いプールのあちこちで、発生する。

その次の部屋には、カンディンスキー、クレーなどの絵画作品と、武満徹、ジョン・ケージらの楽譜(?)が並べて展示されていた。

この展覧会のテーマを象徴するような、その部屋の、何とも言えない雰囲気が、実に良かった。

マノン・デブールの映像作品、二度の4分33秒。ジョン・ケージの有名な作品を、一度目は、演奏(?)するデブールのショット、二度目はそれを見ている少数の観客を写した作品。

ジョン・ケージのその作品は、演者がピアノの前に座り、4分33秒間、何も演奏しないというもの。騒音につつまれた現代社会を皮肉っているようにも、あるいは、禅に代表される東洋精神を表しているように見える。

クリスティーネ・エドルンドの、セイヨウイラクサの緊急信号、という作品。

昆虫に襲われたセイヨウイラクサは、そのストレスを感じた時に化合物を発生する。その化合物の発生度合いをグラフで表し、それを音楽に置き換えるという、面白い作品。

展示会場に鳴り響くその音楽が、セイヨウイラクサの叫び声のように聞こえる。

会場で売られていたガイドブックを兼ねている書籍を購入したが、小難しい文章が多すぎて、この展覧会の本来のテーマとは、かけ離れている内容の書物だな、という印象を受けた。

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