2012年12月31日月曜日

偉大なる国の偉大なるガラス工芸品〜森と湖の国フィンランド・デザイン展


サントリー美術館で開催された、森と湖の国 フィンランド・デザイン展を訪れた。

フィンランドは、ロシアとスェーデンという大国の間に挟まれ、独立したのは、第1次世界大戦後の1917年のことだった。

ガラス工芸を中心としたそのフィンランド・デザインは、そうした民族独立の象徴と考えられていたようだ。

フィンランドの民族叙事詩、カレワラをイメージした作品などに、そうしたことが伺える。

これまで、漠然と、北欧デザイン、としてしか知らなかったが、会場の作品を見るうちに、これは以前どこかで見たことがある、という作品にいくつか遭遇した。

グンネル・ニューマン、カイ・フランク、タビオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルパネヴァらといった、フィンランドの偉大なデザイナーたちの代表的な作品が並ぶ。


展示されていたのは、ほとんどがガラス工芸品。それらの作品を見ていると、曲線が多く、特に何を表したという訳ではないが、自然のものをイメージしたものが多いように思えた。

作品を作るための道具や、その過程を撮影したビデオも上映されていた。

曲線の作品は、木で作られた型を使って製作されている。最終的なガラス作品を作る前には、まず、この木製の型を完璧に作らなければならない。

工芸作品は、単なるデザイナーのイメージやアイデアだけではなく、物を作るという過程を経て、最終的に、デザイナーの世界が実現する。

この展覧会では、沢山のガラス製品を通じて、フィンランドという国の偉大さを実感できた。

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