2012年9月16日日曜日

元素のふしぎ もしくは人類の収奪のふしぎ


ここ最近、国立科学博物館が元気だ。

1年のうちに、国立科学博物館を2回以上訪れる、などということは、これまで一度もなかった。今年は、春のインカ展に行き、もうこれ以上来ることはあるまい、と思っていたが、この『元素のふしぎ』を見て、さらに、次の『チョコレート展』にも行ってしまいそうだ。


会場には、118個ある元素について、上部に説明と、それが実際にどのように使われているか、具体的な製品や材料が、下部に展示されていた。


この全てを1つ1つ丹念に見学し、記憶して行ったら、立派な科学者になれそうだ。勿論、多くの人は、ブラブラ歩きながら、時折、興味のある所で立ち止まっていた。

しかし、中には、1つ1つ熱心にメモを取っている子供の姿もあった。


最初のコーナーには、小惑星イトカワの模型と、その小惑星と同じ組成の隕石が展示されていた。最近話題になった科学のトピックを上手に使い、見学者に展覧会への興味をより引き立てるような、上手な演出がされていた。


こちらは、月に大きな隕石が衝突し、その結果はじき出された岩石が、地球に落ちてきたもの。


 こちらは、火星からの隕石。地球には、結構、宇宙からの物質が降り注いでいるのだ。

それにしても、ほとんどの元素について、人間は、何らかの形で利用しているのがよくわかった。

鉄(原子番号26)、ナトリウム(11)、マグネシウム(12)、などのお馴染みの元素については、よくわかるが、ジルコニウム(40)、ハフニウム(72)、テルル(52)など、これまで聞いたこともないような元素まで、人類は様々な用途に活用している。

人類は、その歴史の中で、自らの生活を便利に、豊かにするためには、この世のあらゆる物質を、使いまくろうとしている。

その意味では、この展覧会は、輝かしい人類の知恵や技術の証明でもあり、自分たちのためなら、宇宙にある元素をフルに使おうという、人類の収奪の証でもある。

どうして、人類という存在は、そこまでするのか?

この展覧会では、元素の不思議とともに、人類のそうした不思議についても、いろいろと、考えさせられることが多かった。

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