気をつけていないと、通り過ぎてしまうそうな、細長いビルの2階に、リクシルギャラリーは、あった。
ついさっきまで、サラリーマンとすれ違っていたが、会場に入った途端に、九州の山奥にある、神楽の舞台に放り込まれた。
会場には、宮崎県の高千穂、椎葉、米良の神楽の様子を撮影したビデオ、写真などが展示されていた。
宮崎は、天孫降臨神話の地でもあり、国内でも飛び抜けて多い、300以上の神楽が伝えられ、今でも地元の人々によって演じられているという。
壁で区切られた、小さな空間に入ると、目の前に、多くの仮面がガラスの向こうの壁に、整然と並んでいた。
それらは、実際に、使われてきたものらしい。
まずは、その種類の多様さに驚かされた。
鬼、翁、女性、ひょっとこなどの仮面は勿論のこと、アフリカやポリネシアにあるような仮面、スターウォーズのダースベイダーのような仮面などもある。
ひとつひとつの仮面を、じっくりと対面する。どれも技術的には稚拙に思えるが、独特の味わいがあるのがよくわかる。
銀座の街中の、こんなに小さなスペースで、山と森の精霊の世界に遊ぶとは、なんとも贅沢で、豊かな時間だった。
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