2013年2月20日水曜日

メディアアートの現在〜文化庁メディア芸術祭受賞作品展(新国立美術館)

東京、六本木の新国立美術館で開催された、第16回文化庁メディア芸術祭の受賞作品展を訪れた。

入場が無料ということもあり、学生や若者、スーツ姿のサラリーマンなど、様々な人々が会場を訪れていた。

展示スペースは、4つのコーナー、アート部門、エンターテイメント部門、マンガ部門、アニメーション部門に別れている。


アート部門の大賞は、スイスのCod.ActのPendulum Choir。男性のコーラスグループが、鉄の棒のような物の先に固定され、歌に合わせて、ゆっくりと振り回されている。

何が言いたいわけではなく、ただ、インパクトのある映像表現。ビジュアルアートの特質をよく表している。


三上晴子の欲望のコード。人がカメラの近くによると、センサーがそれを捉え、人の動きに合わせて、カメラが追尾し、その映像を撮影する。その映像が、地球のような球体の画面に映される。


震災をテーマにした作品も、何点か目についた。これは、佐野友紀のほんの一片。震災で発生した瓦礫を、写真にとったうえで、彩色した作品。

圧倒的な力を持っている作品。何の説明も必要としない。


エンターテイメント部門の大賞は、Perfume "Global Site Project"。Perfumeの音楽に合わせて、様々なバリエーションの3人組のユニットが、映像の中で踊っている。


水道橋重工のKURATAS。ガンダムの世界から飛び出してきたようなロボットが、都心を走り回る映像は、強烈なインパクトがある。


アニメ部門は、他の部門に比べると、展示のインパクトの度合いは低いが、展示されているデッサンを、多くの人が覗き込んだり、写真をとったりしている。

こんな時代だからこそ、ペン一本で世界を表現しようとするマンガには、存在感がある。

最後は、アニメーション部門。大賞は、大友克洋の火要鎮。

会場には、モンキーパンチのルパン3世や、宮沢賢治の童話を映像化した、グスコーブドリの伝記、などのお馴染みの作品も並ぶ。

他のアート展のような堅苦しさもなく、会社帰りや昼休みに気軽に楽しめる内容だった。

何となく、若手の登竜門のようなイメージをこれまで持っていたが、大賞の受賞者をみると、そうではないようだが、何となく、納得のいかない思いも、心に残った。

新国立美術館の会場以外にも、いくつかのサテライト会場があり、関連するイベントを行っていた。


これは、東京ミッドタウン。”あなたは六本木をどうデザイン&アートの街にしますか?”というアンケートを実施していた。

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