2012年12月9日日曜日

MOT ANNUAL 2012 風が吹けば桶谷が儲かる


東京都現代美術館が、注目する若手現代アーティストを紹介するMOT ANNUAL 2012。

今年のテーマは、風が吹けば桶谷が儲かる。

森田浩彰の、人が集まる場所で、みんなで、行う、何か。

会場に、多くの紙が並べられている。1枚1枚には、ある壁は頻繁に触られている、とか、誰かの携帯が鳴っているかもしれない、などが日本語と英語で書かれている。

来場者は、その紙を持ち帰ることが出来る。

佐々瞬の展示では、小さな紙のメモが多用されている。日常の何気ないものから、アートの世界へと私たちを誘う。現実と仮想の世界が、目の前で交差しているような、不思議な感覚。

田中巧起にいたっては、会場内に作品は展示されていない。入り口で、彼のこの会期中のスケジュールが渡される。

田中は、会期期間中、いそがしく海外を駆け回りながら、様々な活動を行っているようだ。それ自体が、アートということだろう。

クリムトは、”時代にはその芸術を”と言ったが、これが、今日の日本の芸術ということだろうか。

”アート”という高い敷居は取り払われ、日常の活動そのものが、アートになる。

そもそも、”アート”あるいは”芸術”という概念が、ある体制によって作り上げられる前は、アートとは、人間が生きるために行う活動(食器を作ったり、洋服を作ったり、家を建てたり・・・)そのものだったのかもしれない。

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