以前、本屋で手にした『独立国家のつくりかた』というふざけた本を手にしたことがあった。
ペラペラと斜め読みしながら、面白いことを考える若者がいるなあ、と思った記憶がある。
筆者の名前が、坂口恭平、というかすかな記憶だけが残っており、ワタリウムで開催中の展覧会でその名前をみつけたので、足を運んでみた。
展覧会は、前期と後期に別れており、それぞれ、過去編、未来編と銘打たれている。過去編を訪れた。
過去編では、文字通り、これまでの坂口恭平の活動をまとめたもの。
会場には、路上生活者たちの暮らしをルポルタージュした時の資料や写真、インドなど海外を訪れた際の絵日記、本人が出演し、滔々と自分の主張を訴えているビデオ、また本人が非常に細かい筆さばきで描いた絵画、などが展示されていた。
坂口は、路上生活者たちの、ほとんどお金を使わない生活、にヒントを得て、その批判的な視点を、現代の政治・経済システム、特に、土地の私有、お金中心社会などに向けている。
そのゼロベース発想には、いろいろな意味で、刺激を受ける。
こうした人々が増えていけば、この国の閉塞感にも、少しは風穴が開くのかもしれない、と思えた。
後期の未来編も、楽しみになってきた。
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