2012年2月12日日曜日

松井冬子の絵に、世界の不思議さを感じる


横浜美術館で開催されていた、松井冬子展を見た。

松井は、その技法を見る限りは、まぎれもなく、日本画家である。展示されていた、植物を描いた作品のための習作を見ると、琳派の作品を見ているようであった。

しかし、そこに描かれる題材は、伝統的な日本画家で描かれてきたテーマとは、いささか異なる。

美し女性が、画面いっぱいに横たわっており、パックリと割れた腹から、内蔵が飛び出している。

すべての絵画がそうした内容ばかりではないが、見る物をはっとさせる絵が多い。当然のことながら、こうした絵は、マスコミでは話題性を持って取り上げられる。この展覧会の会場にも、若い女性の姿が多かった。

しかし、私は、松井の絵から、そうした印象とは違い、なぜか、この世界の不思議さを、感じさせられた。

表面的な美しさの裏側で、それを支える繊細にして精巧なメカニズム。普段は隠されているが、それが露になることで、私たちは、この世界の不思議さ、奥深さを感じる。そのメカニズムは、人間の世界だけではなく、この世界のどこでも、絶えることなく動き続け、この世界全体を支えている。

松井のセンセーショナルな絵画は、この世界の不思議さを、私たちに教えてくれる。

自画像。松井の黒い髪は、なぜか、真っ白に描かれている。それは、髪というより、白いベールを被っているようにも見える。また、その眼は、見る物の視線を避けるように、あるいは、わざと挑発するかのように、向かって左手を見つめている。

展覧会のサブタイトルにも使われている、<世界中の子と友達になれる>。画面の右側に揺りかごが、左側に、右手を向いている女性が描かれているが、習作を見ると、当初はこの配置を逆にしていたようだ。

確かに、その方が自然な構図だが、敢えてそれを逆にしたことで、この絵が不思議なポリフォニーを奏でるようになった。絵画が両端で繋がっているようにも見えるし、女性が揺りかごから出てきたようにも見える。

この画家はまだ若い。これからも、この世界の不思議さを私たちに見せてほしい。

横浜美術館の松井冬子展のホームページ

Fuyuko Matsui is one of most popular Japanese artists. She is young but such a big exhibition has conducted at Yokohama Museum.

Her way of painting is traditional Japanese style but her theme is slightly different from them. She draws naked girls with exposed viscera, rotten woman bodies and more grotesque paintings.

She shows us the mystery of our world by such a grotesque works. She exposed the hidden things in our bodies and another animals.

Her self-portrait, her eyes doesn't come to us directly. She sees left in her work. She is not shy. She just seems to provoke us.

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